WTってなんですか?


読者の.conさんから「K-taiの謎」をいただきました。2002/06/10

【素朴な疑問】へのお便り
N504などで「着信音FM32和音+WT8音」と説明されているものがあるのですが、WTってなんですか?おしえてください。
N504iの着メロチップはヤマハのMA-3(YMU762)が使われているようです。このチップは一般に40和音対応と言われていますが、内訳はFM音源が32和音、WTが8和音で合計40和音ということになります。ここで和音とは同時に再生できる音色の数という意味で使われています。DTM(DeskTop Music)の世界ではポリフォニックと呼ばれています。

「WT」は、WaveTableの略です。WaveTableはこのチップで使われている名称で、技術的にはPCMまたはADPCM音源と呼ぶべきものです。FM音源がシンセサイザーの様に原音に色々な変調を加えて新しい音色を作り出すのに対して、WaveTable音源は実際の楽器を録音してデジタイズした音を使います。デジタイズの方法にPCMまたはADPCMが使われます。リアルな生楽器のサウンドをサンプル(採取)して再生するので、DTM(DeskTop Music)の世界ではこのような音をサンプラーとも呼んでいます。

チップに搭載されている演算回路がもっと高度であった場合、サンプルした音で音程(音階)を奏でることも可能だと思うのですが、残念ながらこのチップにそれを望むのはちょっと無理のようです。実際にこのチップに搭載されているWaveTableは、すべてドラムなどのパーカッション系(打楽器)の音色です。都合良くパーカッション系の楽器はリズムは刻みますが、音程(音階)がありません。

FM音源方式では、パーカッション系の音が合成(シンセサイズ)しにくいので、ここの弱点をWaveTable音源(実際の楽器をサンプルした音)で補ったチップになっています。パーカッション系以外の楽器は従来通りFM音源を利用しているので、このチップはクリアで抜けのいいFM音源系の音色と、PCM音源系が得意とするドラムなどのパーカッション系の音色を両方演奏することができる、ちょっと欲張りな着メロチップとも言えます。

ちなみに、WaveTableの8和音の内、2和音をストリームPCM再生(いわゆる着声)に利用できるので、FM音源やドラムのPCM音源に加えて着声を再生することが可能です。例えばN504iの内蔵着メロにはメロディの中にミッキーマウスの声(合いの手、掛け声)やバックコーラスの声が入っているのはこの機能を利用しています。

FM音源とPCM音源を両方搭載した独自のハイブリッド型で、両方の良い所を併せ持ち、しかも従来どおり着声が実現できる回路も内蔵している音源チップです。その為この着メロチップは「FM音源32和音+PCM音源8和音、着声2チャンネル対応」とも表現できると思います。

■ヤマハ, YAMAHA
SMAF Official
http://smaf.yamaha.co.jp/ (PCのみ)
MA-3(YMU762)
32和音FM音源+8和音PCM音源、2ストリームPCM再生LSI

K-taiの謎の関連記事「FM音源とPCM音源の違いや特徴?」もご参照ください。

ということで今回は「WTってなんですか?」でした。携帯電話を使っていて素朴な疑問がありましたら、是非「K-taiの謎」にお便りください。

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